EA(自動売買)を選ぶとき、「どんな条件でエントリーするのか」「どこで利確・損切りするのか」といった売買ロジックは気になるところです。
関連する基礎知識は「GPT-Tradeとは?ぽっちゃり勇者が自腹で自動売買を検証してみる」でも解説しています。
ただ、EAが狙った動きをするためには、ロジックだけでなく 注文がどのような環境で処理されるか も無視できません。今回のMetaTrader 5公式インタビューには、その点を考えるヒントがありました。
今回何があった?
公式発表によると、ブローカーのTrioMarketsでは、高度な取引ロボットを利用する顧客が増えているとしています。
同社はアルゴリズム取引において、 高速な約定、低遅延、競争力のあるスプレッド が特に重要だと説明しています。そのため、ブローカー側にも技術基盤や約定条件を継続的に改善する必要があるとの認識を示しています。
また、TrioMarketsはMetaQuotesのUltencyについて詳しく調べ、事業への統合可能性を検討する考えです。ただし、今回確認できるのは検討段階までです。実際に導入されたか、どのような効果が得られるかについては現時点では確認できません。
EAは売買ロジックだけ見ればいい?
ここからは一般的な解説です。EAは設定されたルールに従って自動的に注文を出します。しかし、「EAが注文を出すこと」と「その注文が実際に処理されること」は分けて考える必要があります。
例えば、注文を出したときに想定していた価格と、実際に約定した価格に差が生じる場合があります。また、売値と買値の差であるスプレッドも取引コストに関係します。
特に短い値幅を狙う仕組みや取引回数の多いEAでは、こうした条件が運用結果に影響する可能性があります。そのためEAを見るときは、ロジックだけではなく 実際に動かす取引環境も確認対象の一つ と考えておく必要があります。
MT5のAI Assistantにも注目
公式情報では、MetaTrader 5に導入されたAI Assistantについても紹介されています。MQL5などのプログラミング言語について豊富な知識がないユーザーでも、プラットフォームの利用や取引アプリケーションの作成を支援する機能とされています。
一般的に、こうしたAIによる開発支援が進めば、「EAを作ってみたいけれどプログラミングが難しい」という人にとって、開発を始めるハードルが下がる可能性があります。
一方で、 AIが作成を支援したから安全に運用できる、利益が出る、という意味ではありません 。生成されたコードが意図した条件で動くか、想定外の注文を出さないかなどは別途確認する必要があります。
自動売買ユーザーへの影響
少なくともTrioMarketsでは取引ロボットを利用する顧客の増加を認識しており、EAそのものだけでなく、それを動かす取引環境も重要な要素として挙げられています。
また、AIによる開発支援はEA作成への入口を広げる可能性があります。ただし、今回の公式情報はAIで作成したEAの性能や運用成績を示したものではありません。開発しやすくなることと、良い運用結果が得られることは分けて考える必要があります。
利用者が確認しておきたいこと
- EAの売買ロジックだけでなく利用する取引環境も確認する
- 約定速度や遅延、スプレッドが運用に影響する可能性を理解する
- AIで作成を支援されたEAでもバックテストや動作確認を行う
- 新技術については検討段階と実際の導入を区別して情報を見る
なお、今回の一次情報はTrioMarketsへのインタビューです。同社が認識している利用傾向や取引環境についての見解が、すべてのブローカーやEAにそのまま当てはまるわけではありません。
ぽっちゃり勇者のひとこと
EAを調べ始めると、どうしても「どのロジックが強いんだ?」というところに目が行きます。でも、そのEAが走る環境まで見る必要があるんですね。
AIでコード作成のハードルが下がるのも面白い変化です。ただ、「AIが作ったから完成!」ではなく、バックテストや動作確認までがセット。勇者としても、ここは地道に確認していきたいところです。
まとめ
MetaTrader 5公式インタビューでは、TrioMarketsが高度な取引ロボットを利用する顧客の増加を認識し、アルゴリズム取引では高速約定・低遅延・競争力のあるスプレッドが重要だと説明しています。
さらにMT5ではAI Assistantによる取引アプリケーション作成支援も紹介されています。自動売買を学ぶ初心者にとっては、 ロジック、取引環境、運用前の検証 をセットで考えることが大切になりそうです。
関連する基礎知識は「ストラテジートレードとは?Cトレとの違いと選び方を初心者向けに解説」でも解説しています。


